私について

『私、古木杏美について』


現在、講師歴約8年、のべ300人、子ども100人を教えている「親子で学べるフラワーアレンジ×花育教室 花華香房」を主催しています。


そう聞くと、長い間お花の世界にいた人なのかな? と思いますよね。


全然、違うんです。


元々は首都圏でラジオの仕事をしていました。


ここからは、少し長くなりますが、今に至るまでの私の経緯を綴ってみましたのでお時間のある方はお付き合いくださいませ。


「前職はラジオ」


ラジオって一人で全部放送しているように見えますが、実はたくさんの人が関わってできているんです。


例えば、アシスタントディレクター、ディレクター、放送作家、DJ、プロデューサーなどなど。


私はアシスタントディレクターからディレクターになり、放送作家もちょっとかじり、なんと最後はラジオでおしゃべりしてました。


高校生の頃から、人の心にスッと入ってきて、さりげなく人生まで変えてしまうような言葉を扱う「ラジオ」というメディアが大好きで、大学は日本大学の芸術学部放送学科に進みました。


大学には、一風変わった生徒が沢山いて、学校以外でも、同級生と映画やCM、番組などを作ったりして遊んでいましたね。


時代を感じますが「踊る大捜査線」の制作チームと主役の織田裕二さんの授業があったり、「ガキの使いやあらへんで」のプロデューサーの授業があったりしました。


学食では急に演劇が始まったり、チンドン屋みたいなパフォーマンスがあったりと、刺激的なことがたくさんあり、私のクリエイティブ精神の基盤はここで培ったと言っても過言ではありません。


しかし、楽しかった大学生活も終わり、卒業する時には、不景気真っ只中の超氷河期。


ましてや私の大学なんて、就職率が20% くらい。


当たり前のように、みんなフリーターになりました。


私もキー局だけ記念受験して、予想通りの全部落ち。落ち込むこともないほど、みんながフラフラしてましたね。


そんな中、ラジオの仕事がしたいなら、とにかくアメリカだ!と思い、単身アメリカ留学します。


「心理学との出会い」


まずは語学学校に通い、どうしても話せるようになりたかった英語もだんだんとできるようになり、そのあとは大学の夜間学校で音楽ビジネスを学んでいました。


留学生活は大変だけど順風満帆!


私一人でよく頑張ってるし、私ったら、も〜ものすごく楽しく過ごしているんだ!と思っていました。


しかし!


そんなイケイケな私の思いとは裏腹に、実は私の心はとても疲れていたということに気付かされる出来事がありました。


その頃、ルームメイトだったイタリア人の友達が大学院で心理学を専攻していて、セラピストを目指していました。


その友達がセラピーの練習をさせてほしいということで、何の知識もなくその友達にセラピーしてもらったんです。


その時、私は「私の留学サイコー!無敵ー!」と思い込んでいたのですが。。。


セラピーが進むうちになぜかヒックヒックと肩を揺らすほど号泣していました。


そのセラピーによって、私は実はすごーーーくホームシックになっていて、頑張りすぎてとても疲れていたということに気が付いたのです。


そして、それを楽しいんだと思い込ませることによって、抑え込んでいたんです。


自分をも騙していたということですね。


留学してからその時まで、私の顎の周りにはできたこともないようなニキビがいっぱいできていて、何を塗っても、何を飲んでも治らなかったのですが、そのセラピーの後からどんどん治っていきました。


私は知らず知らずに頑張りすぎていた。。。無理していた。


それにふと気がついただけで、不思議と心がすごーく軽くなり、それ以降、本当の意味で、自然体で留学を楽しむことができるようになりました。


これが、私の心理学やセラピーとの初めての出会いでした。


しかしこの時、気持ちがラジオに向かっていた私は、心理学は横に置いておいて、日本に帰ってきてからラジオの仕事つきました。



「心に触れる仕事」


ラジオの仕事はとてもやりがいがありました。


私がディレクターとし選曲し放送した曲を聞いて「辛かったけどやっぱり学校に行ってきます」とか、DJとしておしゃべりをしていると「声を聞いていると優しい気持ちになってきます」とか、企画ものをやれば「思わず掃除機を止めて感動して泣いてしまいました」などのメッセージをいただいて、心に触れる仕事はやっぱり楽しいと思っていました。


そして、そのラジオの世界で出会った現在の夫と30歳のときに結婚しました。


子どもが大好きなので、結婚式では5人産みます!楽しみです!とか豪語しちゃったりして。


「人生急にストップ?」


しかし、待てども待てども妊娠せず。


しかも、仕事は不規則でどんどん忙しくなり、不妊と仕事のストレスで体調を崩しました。


突発性難聴にもなり、めまいで常に天井はぐるぐる回り、だんだん外にも出たくなくなって、ずっとベットで泣いていたことが何日もありました。


さらには、不妊のストレスで夫にあたって泣きわめいたりして。


今思えば、ちょっとうつ状態でしたね。


最悪でした。


よく夫も我慢してくれたと思います。



不妊の原因の一つに、高プロラクチンというものがありました。


人間の体はとても不思議なもので、女性が仕事などをしてスイッチオン状態になると、いわゆる戦闘体制に入るんだそうです。それが高プロラクチンという状態。


すると、昔からの体の記憶で、戦争をしている間、人はいつでも逃げられる状態にしておくために妊娠しづらくなるそうなんです。


妊娠している体では簡単に逃げられないですものね。


それが現代に置き換わると、女性が社会で頑張りすぎてる状態なんだそうです。


また頑張りすぎた。。。


そんなこともあり、大好きだったラジオの仕事は、ちょうど番組の変更で仕事が終わる時と共に全て辞めました。



それまで続いた不妊治療は6年。


お金も心も擦り減り、もう最後の採卵にしようと決めて、体外受精に挑み2回失敗。


そして卵が残り1個となったとき、本当に最後の最後でやっと妊娠できました。


今では二人の娘に恵まれています。



「絶不調の中での花との出会い」


お花との出会いは、その妊娠までの辛い間。



フラワーアレンジメントの講師をしていた母の勧めで、横浜フラワーデザインスクールで講師の資格を取得。


フランス人のローランボーニッシュ先生のお教室でもコースを修了。


心も体も辛かった時期でも、お花に触れている時は、とても心が落ち着き楽しい気持ちになれたのが、すごく不思議だったのを覚えています。



ラジオの仕事をしながらも講師としてたまにレッスンもしていたのですが、いつもレッスンが終わると生徒さんは「あーすっきりした」「癒された」「ストレスなくなったー」と言って帰っていくのです。


フラワーアレンジメントはただのアレンジメントではないぞ! 


一体、この癒し効果は何? 


と思い、お花の癒し効果や心理的な効果などに興味を持ち始めました。


そして同時に、留学時に友達にやってもらったセラピーで、心が軽くなったのを思い出していました。


そんな思いで妊娠中、お花の癒し効果や心理学について調べていると、「花と心の学校」という、お花を使った箱庭療法が元になっている芸術療法、アートセラピーを教えてくれる学校に出会います。


でも、子育て真っ只中で行けない。。。


3年その気持ちを温め、2人目の子どもが3歳になった頃、子どもを預けてその学校に通い始めました。


そこで、どっぷり心理学にハマるのです。


「心理学を学ぶ」


その学校では、お花を使って自分を表現するだけで、カタルシス効果という心への効果が働き、心が整理されてスッキリするということを知りました。


これで私の中の謎は解けたぞ!めでたしめでたし。


ではなく、、、心理学への興味はそれだけにとどまりませんでした。


もっともーっと深いところまで気がつくことができたんです。


心理学を学んだことで、私が頑張り過ぎてしまって、病気になった理由が心にあると分かりました。


もしかしたら不妊の原因もそこにあったかもしれません。


思い返せば、私は幼少期からことあるごとに、自分では気がつかない、ストレスによる原因不明の蕁麻疹や、心臓病、突発性難聴などになっていました。その原因は私の幼少期に、勝手に作り上げた「心ぐせ」にあったのです。


私は兄と弟がいて、真ん中のプリンセス。


しかし、兄も弟もヤンチャで甘えん坊だったので、私はおとな、自立しているんだと思い込んでいる女の子でした。


なんでも一人でできる。幼稚園さえも一人で歩いて行ってしまう子どもで、お母さんとお父さんは兄と弟で忙しいから、私は完璧でなくちゃ、大人じゃなくちゃ、誰にも頼ってはいけないと勝手に思い込んでいたんですね。


その子どもの頃の思いが、大人になって一人で頑張りすぎる私を作っていたことが分かったのです。


それが心ぐせ。


それで、色々な病気になっていたんですね。


心と体は繋がっているということを実感しました。



12歳までに作られた、そういった心の土台が、一生涯影響するということを心理学の学びで知りました。


それに気がついただけで、人は心がスッと軽くなって、そういう負の状況を避けることができる。


このスッとした気持ち、経験してみないと分からないのですが、本当に軽くなった!と思える不思議な感覚です。


「花と心理学」


花と心理学を学ぶことによって、お花の技術だけではなく、その人の心に触れ、人生を少しでもいい方向に変えることができる。このことに感動しました。ラジオの仕事でのやりがいにも少し似ています。


そして、フラワー心理セラピスト、コミュニケーション心理士、子ども花育インストラクター、色彩グラスセラピストなど、興味が止まらずどんどん資格を取得していきました。


それと同時に植物の力、アートセラピーの力にも興味を持ち、人を癒す効果、香りの効果、植物の歴史、植物造形などなど、どんどんのめり込みましたね。今でもずっと学び続けています。



子どものときに作る、一生涯影響する心の土台作り、それをサポートできるのが、お花を使った心育て、「こども花育」。


そして、芸術療法としてのフラワー心理セラピー。それを気軽にできるようにと私が考えたのが「おとな花育」です。



ママやパパの心の安定は子育てをする時に大きく影響してきます。


大袈裟かもしれませんが、私が学び、親子をお花でサポートできたら、もっと幸せな親子が増える、もっと幸せな人生を歩む子どもが増える!と思いました。



そして現在は、お花だけでない、心のお土産を一つでも持って帰ってもらおうという想いで花華香房のレッスンを続けています。


夢は、お花でたくさんの心に語りかけ、「あの頃先生にああ言われたから、あの教室でこんな自分に気がつけたから、今の自分がある」と、めっちゃ幸せな大人になった生徒たちに言われることです。


そして、みんなが気軽に遊びに来られる公園のような緑あふれる場所を作り、たくさんの親子が植物、香り、アートセラピーで癒されること。


そんな壮大な夢を持ちつつ花華香房を盛り上げていきたいと思っています。


ここまで読んでいただきありがとうございました。 

古木杏美